席を譲ってしまいごめんなさい。
悪気はありませんでした。
ただとっさに「席どうぞ」と口から出てしまいました。
あの日、私はバスに乗りました。
たまに乗るバスは電車と比べて結構揺れるので、出来るだけ着席したいと思いました。
バスの席はほぼ埋まっていましたが、奥の2人席が1人分空いていたので座りに行きました。
スーツ姿の男性が居眠りしていましたが、私が隣に座る時は一瞬起きて会釈をしてくれました。
その男性は両足の間に大きなリュックサックを挟むようにして床に置いていた為、男性の足が私の足に当たります。
男性は特に大柄ではないですが、荷物の置き方と足の開きによって、私の席は狭くなっていたので、私は片足をバスの通路に出して座りました。
男性は電車の揺れによって時々起きて態勢を整えますが、何度も私の方に傾いてきます。
ただでさえ狭いのに、男性の肩や頭が迫ってくるので、私は寝てる男性にイライラし始めました。
眠気を覚ますのを諦めたのか、男性は私の方に傾いたままです。
私は傾いて何とか男性をよけますが、狭いし、傾いている態勢もつらいし、結構なストレスで辛くなってきました。
他に空席があれば迷わず席を移動しますが、席は埋まっていたので席を立つかどうか迷っていました。
すると、バスに乗り込んだおばさんが奥の私の席の方へやってきました。
おばさんは背筋も伸びていて足腰もしっかりしていそうでしたが、銀髪で70歳くらいに見えました。
バスの奥の方に来てくれる人は珍しいです。大抵はバスの前半分に立っている人が多い気がします。
私はすかさず席を立ち「席どうぞ!」とおばさんに着席をうながしました。
おばさんは驚いた顔で一瞬考えましたが、座ってくれました。
そして着席するや否や、おばさんは隣の居眠り男性の餌食になりました。
おばさんは男性の方を見て、明らかに迷惑そうです。
席も狭い為、おばさんは片足をバスの通路に降ろしています。
おばさんも私と同じように嫌な思いをしているのがひしひしと伝わってきました。
心苦しくなりました。
なんでこんな嫌な思いをする席を譲ってしまったのか。
おばさんに声をかけずに、自分が勝手に席を離れればよかったと反省しました。
私はおばさんが現れるまでは、迷惑な男性に我慢して座り続けるか、仕方なく席をたつか、の2択で迷っていました。
ちょうどその時「高齢者に席を譲る」という一見良い行いとされる選択肢が加わったのです。
そして迷わず席を譲りました。
しかし実際は「嫌な思いをする席に座らせた」のです。
悪気はないつもりでしたが、悪いことをしたと後悔しました。
と思っていると、なんと!
おばさんも居眠りをしていました!
頭を前にうなだれるようにして、うまいこと隣の男性をかわして寝ています。
この光景を見て私は安心しました。
迷惑な男性の横で眠れるくらいなら、私が思うほどおばさんは嫌な思いをしていなかったはず!
私だったら隣の男性が気になり、眠ることはできないと思います。
きっとおばさんは私よりは迷惑な男性を気にしていなかったのだと思えました。
席を譲ったことを後悔しましたが、結果オーライだったかなと思います。
そうであって欲しいです。
もしかすると、おばさんは「嫌な思いを感じないように眠ってしまおう」と考えたのかもしれません。
そうだとしたら本当に悪いことをしました。
今回の出来事で、席を譲る時は一度冷静に考える必要があることを学びました。
自分の行いは、相手の為になるのか?自分の為じゃないのか?
正直今回は自分の為でした。
おばさんも座れたこと自体は良かったかもしれませんが、絶対に「嫌な席に座らされた」と思ったはずです。
今後はこのようなミスをしないようにします。
このブログでは、これからもバス・電車内で気になった出来事を考えていきます。
後悔や迷惑行為についてだけでなく、今後は良いマナーの人にも目を向けて記事にしたいと思います!
▼迷わず席を譲る優しい男性に出会いました!かっこよかったです。